ご挨拶
東京医科歯科大学難治疾患研究所
鍔田武志
昨年来世界は、COVID-19の流行というスペイン風邪流行以来の世界的な公衆衛生の危機に見舞われています。このため2020年に予定されていた第29回日本Cell Death学会学術集会が1年延期となり、もともと2021年の学術集会の会頭に決まっていました東京医科歯科大学の鍔田が、第29回日本Cell Death学会学術集会の会頭をつとめることになりました。
細胞死研究は、その黎明期のような万能感こそありませんが、着実にそのメカニズムや疾患における役割の解明が進んでいます。本学術集会では、このような研究の発展を背景に、「除去の細胞生物学」「細胞死と炎症・疾患」「フェロトーシス研究の最前線」の3つのシンポジウムをそれぞれ京大の鈴木淳先生、名古屋大の菅波孝祥先生、北里大の今井浩孝先生にオーガナイズ頂きました。若手の第一線の研究者を中心に、臨床部門の研究者や女性研究者も含め多様な研究者に発表頂きます。特別講演は、虚血再灌流傷害の制御での制御性T細胞の役割の解明などで優れた研究を展開されている慶應大の吉村昭彦先生と、細胞老化研究の第一人者である原英二先生にお願いしています。一般演題はオンライン開催の利点を生かし、全ての演題を一般口演として発表して頂きます。大学院生や若手研究者の優秀発表には、ベストプレゼンテーション賞を授与いたします。なお、コンピューター関係のスタッフは配置していませんので、トラブルがあった場合にはすぐに対応できない場合があります。あらかじめご了承ください。
COVID-19の流行により移動が制限された結果、研究者が交流を深め、研究におけるアイデアを交換することが難しくなっています。本学術集会もできるだけ対面で行いたいと準備を行なって参りしたが、会期中も緊急事態宣言が発令された状態となり、オンライン開催とせざるをえなくなりました。このような状況の中でも、本学術集会では専門性や背景の異なる研究者や大学院生が細胞死をキーワードとして少しでも交流を深め、アイデアを交換することで、創造的な研究が生まれる場にできればと考えています。有意義な学術集会となりますよう多くの皆さんの積極的なご参加をお願いいたします。なお、総会終了後にオンライン懇親会を開催いたしますので、是非交流にご活用ください。