日本Cell Death学会は、平成4年に発足した「アポトーシス研究会」を発展的に改組し、平成22年の第19回より「日本Cell Death学会」として学術集会を開催しています。毎年、世界の最先端の研究者による細胞死に関連する最新の研究成果が発表され、また多数の来場者による活発な討論が行なわれています。第24回の本学術集会の会頭を拝命したことはまことに光栄なことであり、さらなる発展の上で活発な学会を開催したいと考えています。
私は消化器病、特に肝炎・肝癌における細胞死研究を臨床的な立場から続けてきました。最近は、細胞死の後に起こる臓器の炎症やオートファジーにも興味を持って研究を行っています。細胞死が細胞増殖や分化とならんで重要な、そしてあたりまえの生命現象であることが確立した現在、細胞死に焦点をあてた学術集会が何を目指すかは難しい問題かもしれません。しかし、細胞死が生命現象の根幹であるからこそ、細胞死研究が切り開く地平には無限の広がりがあるように思います。そのような思いを込めて、学術集会のテーマは「細胞死が紐解く医学と生命科学」とさせていただきました。2015年7月11日(土)~12日(日)、大阪大学豊中キャンパス内にある大阪大学会館で開催します。大阪大学会館は、これまで「イ号館」と呼ばれていた旧制浪速高等学校の校舎を、大阪の学術の伝統を受け継ぐシンボルとして整備した会館です。「細胞死」と聞くと心が踊る研究者あるいは臨床医の皆様にお集まりいただき、ぜひ盛会にしたいと思っています。何卒よろしくお願いいたします。